私たちの使う言葉は世界を区切り、その瞬間に陰陽世界が立ち上がります。無極から両極が生じます。正しいという世界が生じれば、同時に間違っている世界が立ち上がります。自分と他人。内側と外側。善と悪。否定と肯定。戦争と平和・・・。有機的に統合されたひとつの宇宙の内部にいながら、私たちは自ら発した言葉によって陰陽両極の世界を創造します。その両極世界に住まい、分割と識別によって、世界に秩序と安定を見ます。自他を区別し、物事に検討を加え、批判するという行動で、秩序がもたらされますが、同時に私たちは両極の意識の中に自ら掴まることになります。批判は二極化を生じ、結果的に霊的な成長、進化と統合が抑圧されることになります。言語による行動中心的な活動により生じる両極世界の分割と識別が、全てがひとつとして統合された宇宙の海の寛容さや全体性を見失うことになります。こうしてインナーセルフ(顕在意識)として私たちの自覚する意識が言葉によって世界を区切り、両極世界の中で翻弄されている間にも、宇宙の全体性に浸透するハイアーセルフ(高次意識)は私たちを無意識のうちにサポートしています。

　心を開き、意識的に寛容さを拡張することで、物事に善悪などないことを感得します。そして、私たちは永遠の今を、シンプルに、この瞬間に、光輝きながら宇宙自身のユニークな様を表現していることを思い出し始めます。宇宙における真理は無限です。私たちは言葉を超えて全体との一体感を知覚できます。端的に言えば宇宙自身の豊かな海に浸透することです。私たちの全身全霊の統合によって内なる調和が創りだされた状態で、意識と無意識の領域を含む高次意識が全体として統合され、豊かさそのもののが自在である、という状態です。

　今日の経済優先、物質至上主義の社会において、分割された物質世界に意識が焦点化されことが多々あります。このような世界の中で、人間における霊性のバランスと、その重要性の理解は失われつつあります。結果として無意識のレベルで自分自身と宇宙との意味ある繋がりを十分に持つだけの意識的な寛容さが見出されにくくなっています。これは、過度の疲労と肉体的ストレス、感情面の不調和と分離、メンタル面での抑圧と緊張、マインドの極度の集中、価値観の狭窄が、真の意味で休まることがない、愉しむことができない、リラックスすることができない、アクセルの調整とブレーキのコントロールができない、寛容さを表現することができないという内的な不協和と分離のパターンを作り出します。

　私たちの精神や魂は、多次元的な存在としての私たちのとても重要な側面です。そこには私たちの霊的特質が編み込まれており、根源と私たちのリンクとなるからです。私たちの最適な方向性と営みは、魂のレベルに編み込まれて浸透しており、それはブループリントとなります。あらゆる因縁の結果として星間の経験や成長の記録が保存され、特質を表現します。宇宙との統一感、調和とバランス、リラクゼーションを愉しむには、自己の魂とのつながりを保持し、意識を拡大し、深化させ、高次意識とのシンクロを実演することです。意識を寛容にすることで、外側の分割は統合され、内側に継ぎ目の無い繋がりを顕示することができます。両極の世界の根底に住まう、あまねく私たちに寛容的であるハイアーセルフを受け入れることです。次元の一貫性を内側で統合し、高次のサポートを受け入れることで、魂は統合された意識体としての無限の可能性に気づきます。統合された意識によって、宇宙的な豊かさによる究極のリラクゼーションが実演されます。私たちの心、体、感情、魂が宇宙的に調和する時、全次元からのインスピレーションが魂を通して流れ込み、内なる目的の達成と霊性の進化を促進させます。

　ハイアーセルフ(高次意識)は、根源とのつながりを知っています。自分自身を特徴的な性質と無限性をもった多次元的な存在として、淡々と振舞います。私たちは地上に生まれてから環境に生きる術を学ぶ過程で、意識的または無意識的に、自分自身の根源的な存在認識から意識が逸れてしまい、それゆえ世界に対しての創造性をありのまま顕現できないことがあります。私たちは、変容の旅の中で進化する為に、自分自身と向き合う必要があります。疑いや不信や不確信を感じるのであれば、寛容性を見失った意識の幻想であることを理解することです。全体性がその一部として自己の特質を表現し、それはまた自己が全体を表現しています。ハイアーセルフとつながることを学ぶことは、私たちの生まれもった特質、また私たちがどのような存在であるかを認識する過程として、宇宙自身との再統合です。これは私たちの変容の旅の根底を支えます。メディテーションの経験を深め、インナーセルフを統合し、霊性の中心としての自己存在が次第に明確になるにつれ、この認識はやがて、全体性としてのハイヤーセルフへとシフトしていきます。意識的な寛容性でもって、陰陽両極の意識から合一された太極の意識へ、太極から無極へ、自性無限の全体としての宇宙へ溶け込んでいきます。これは虚空（アカーシャ）に浸透していくという意識的な振る舞いです。物質を含めた全存在とあらゆる豊かさの形は虚空より生じる神性のエネルギーの表現であり、私たちが寛容性を顕示し、宇宙的な統合をなすとき、すべて自在な振る舞いのなかに受け取ります。私たちが与えるということは、大局的に私たち自身が受け取っているということになります。それはお金という形をとる場合も同様なことがいえます。お金は使うことによって、エネルギー形質の変容が生じ、お互いがそれぞれが豊かさを受け取ります。お金を使う本人は対価となるエネルギーを受け取ることで豊かさを得ることになり、お金を受け取る側も豊かさとしてのエネルギーを得ます。宇宙内部で執り行われる神性なエネルギーとその表現が、自らの輝きを瞬間的に高め、次元は上昇し、進化のサイクルが促進します。

天使系
　宇宙の天体の動きは神性なエネルギーによるものです。その天体のエネルギーは私たちにも作用していると考えることは自然なことです。太陽はシリウスのより大きなシステムの中継役であり、私たちはその中で守られ育まれています。私たちは地上に生まれる瞬間にもすでに高次意識との関係性が始まっています。太陽系を構成する天体はそれ自体に個性的な役割を演じ、太陽系内の全領域と関係性を結び、常に全体的な位置が変わります。地上にいる私たちはこの瞬間にも天に配される星から、色彩の異なったエネルギー形質を受け取っています。影響力の強い8つの惑星と太陽と月は、私たちの生活や運命を織りなし、出生時のホロスコープからは才能や性格などを読み取ることができます。これらの天体との関係性は高次存在の天使たちに象徴され、生誕日時によって異なる天体の配置と天使たちがリンクしています。私たちは皆、最も身近にはインカネーショナルエンジェル（ガーディアンエンジェル、守護天使）、ハートエンジェル、インテレクト（知性）エンジェルの3天使によって、生誕の瞬間から地上を離れる瞬間までの人生の旅をサポートされています。72の守護天使たちは、すべての人々にパワーを伝えますが特に自分が担当する日時に誕生した人に大きな影響を与えます。 私たちを生涯にわたってサポートするエンジェルは、別の言い方をすれば、高次意識の中にある天体の性質であり、既に私たちの内側に浸透しているものです。アークエンジェル（大天使）も高次意識に属し、人類の進化を導いています。彼らは多次元の存在で、エネルギーとして宇宙に浸透し、地球と私たちが所属する宇宙を育みます。彼らは太陽系のシステムと共にあって、系の進化をサポートしています。アークエンジェル（大天使）は、星座や四大要素の資質を保持し、私たちの創造活動のエネルギーとして作用します。これらの高次意識の存在は私たちの時空に浸透しており、彼らのサポートを必要とするとき、地上においてその知性的な振る舞いを顕示します。

　私たちの霊性の背後に浸透する高次意識と、私たちとともにあるインカネーショナルエンジェル（ガーディアンエンジェル、守護天使）、ハートエンジェル、インテレクト（知性）エンジェル、アークエンジェル（大天使）とのフルコネクションを実演することは、私たち自身の存在認識を拡大させ、能力を発揮することにつながります。高次意識を知覚し、アンカーリングを通して自覚的にスピリチュアルなコネクションを実演できるようになると、両極の統合によって神性さ、豊かさ、深いリラクゼーションとヒーリングをいつでも必要なときにもたらすことができます。自らの内にある天使たちの性質を顕現することにより、現実世界でのエネルギーワークにおいて無制限の能力が引き出されることになります。さらに、これまでの星間履歴から編み上げられた自己の特質とDNAの系統、さらにその意味を理解することを助けることにもなります。